Thursday 28 July 2011

フィンランド語の綴りの読みかた

このエントリーでは単語の「読みかた」を説明するつもりなので「発音」はまた別のエントリーで書こうと思う.単語の読みかたと発音を区別するという考えは,稲田晴年著「フランス語の綴りの読みかた」という本に書いてあったことなので,その本のまえがきをちょっと引用してみる.

この本で扱うのは単語の「読みかた」であって,「発音」ではありません.初心者が「フランス語の発音は難しい」という場合,「発音」ではなく「読みかた」を指していることが多いようです.

ちょっと省略して次の段落へ.

たとえば,pourという単語は「プール」と読み,「ポウア」でも「ポウル」でもありません.発音記号では[pur]と表記されます.もちろん「プ」と[pu]は違うし,「ル」と[r]も違います.しかし「プール」から出発して発音を練習すれば[pur]になりますが,「ポウア」や「ポウル」ではどんなに練習しても間違った音にしかなりません.

よく諸悪の根源のようにいわれるカタカナ表記だけど,ここまですっぱり割り切ればそんなに悪者でもなさそうだ.個人的には,巷にあふれる固有名詞のカタカナ表記もこの考えに基づけばもう少しまともなものになるんじゃないかなんてことも考えたので,このエントリーの最初に紹介してみた.

とはいうもののこの考え方も,私が知っている(正確にはかじった^^;)範囲でいえばフランス語,フィンランド語,スペイン語,イタリア語に限った話であって英語には通用しないと思うし,こういう理解をすっ飛ばして発音を習得してしまう頭脳の持ち主もいらっしゃるから万能ではないでしょう.もちろん引用したまえがきも「フランス語の綴りの読みかた」のものなのでその辺ご理解のほどを.

そしてもう一点.私はフィンランド語の専門家ではありません.また,大学で勉強したわけでも留学したこともありませんのでそちらの方もご理解のほどよろしくお願いいたします<(_ _)>.

ということでいよいよ本題のフィンランド語の綴りの読みかた.(7/30若干追記&訂正有)

  • フィンランド語の音はだいたい子音+母音でできていて,基本はローマ字読み.
  • 母音の読みかた
    • 母音はa,i,u,e,o,ä,ö,yの8個.
    • åもあるけどスウェーデン語由来の単語でしか使わないのでとりあえず考えない.
      aiueoäöy
      ウ / ユ
    • yはどっちとも決められない^^;.従来の表記ではユが多いけどウの方がいいような….yをイと書くのは嫌いってことだけはいえる.
    • 違う母音が並んでいたら一つずつそのまま発音する.
      例:aukiアウキ 「オーキ」等にはならない.
    • 同じ母音が並んでいたら伸ばす.
      例:ääniアーニ 「アアニ」は違うと思う.

  • 子音の読みかた
    • 英語のアルファベットからa,i,u,e,o,yを除いた20個
    • c,x,w,zはほとんど使われない.wはvの代わりに使われることもある(ちょっと古くてかっこいいような感じ?)
    • bもあまり使われないけど上の4文字よりは使われる.
    • 子音の読みかたは単独で書くのが難しいので母音のiとuを足した形で.(iの部分7/30追記)
      bidifigihijikiliminipirisitiviwi
      ディフィスィティヴィヴィ
      budufuguhujukulumunupurusutuvuwu
      ドゥトゥ
    • ※:jiってないかも.
    • 気をつけるのはjuとtu.juはジュではなく,tuはツではない.
    • 同じ子音が二つ並んでいたら基本的に前に「ッ」を付ける.
      例:kukkaクッカ
    • mやnが二つ並んでいたら前に「ン」を付ける.
      例:mminランミン
      例:juhannusユハンヌス
    • 違う子音が並ぶパターンはこれくらいかな.
      tsッツ
      例: vatsaヴァッツァ
      l / n + jl/nにiを足す
      例: siljaスィリヤ
      r + jrはル
      例: kirjaキルヤ
      n + gnはン
      例: kengätケンガトゥ
      n / s + kn/sはン,ス
      例: Helsinkiヘルシンキ
      l / n / r / s / t + 他の子音l/n/r/s/tはル,ヌ,ル,ス,トゥ
      例: silmätスィルマトゥ
      h + 他の子音hにhの前の母音を足す
      例: ehkäエヘカ
    • 語末のsは「ス」
      例:kaunisカウニス
    • 語末のtは「トゥ」(7/30追記)
      例:silmätスィルマトゥ

  • l/n/r/h+子音に関しては私独自の考えであって根拠となる文献等はありません.
  • シ→スィに訂正7/30
  • ng,nk,sk,l/n/r/s/t+他の子音を追加7/30

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